バレエの新しい楽しみ方を提案する「SHIVERプレミアム」 文=森菜穂美(バレエライター)
バレエダンサーが舞台上で踊る姿、それは映像で観るのとライブで観るのとでは全く違った体験です。ダンサーと同じ空間にいて同じ空気を吸うことで、彼らの踊りによって世界が一変し、再現することのできない一期一会の感情がダイレクトに伝わってきます。そのライブ体験を一歩進めたのが、2019年から始まった、わずか80席、3列までしかないコの字で舞台を取り囲んだ親密な会場で開催される究極のバレエパフォーマンス「SHIVER PREMIUM」です。
「SHIVERプレミアム」では、オペラハウスやアリーナなど世界のひのき舞台で踊るトップダンサーや、これからスターへの階段を上っていく新星が、手を伸ばせば届くような1~2メートルの近距離で超絶技巧を披露し、観客の真上を飛翔しているのかと思うような跳躍を見せます。息遣い、にじむ汗、ポワントの足音、筋肉の細かい動き、繊細な感情表現…ダンサーがいかに超人であるかを五感で、全身で感じて、その至芸に触れるスリリングな感動と昂揚感は、他では味わえないものです。稽古着で目の前で踊っている様子は、リハーサルルームで稽古を見学している感覚に近いものですが、パフォーマンス自体はリハーサルではなく、心を込めて踊られる紛れもない本番。クラシックのヴァリエーションから、ここでしか観ることができないコンテンポラリーの新作まで様々です。
また「SHIVERプレミアム」では、パフォーマンスの前にダンサーたちが日々の鍛錬である、クラスレッスンのダイジェストを披露します。クラスの指導をするのも出演者であるダンサー。バレエを学んでいる観客にとっては、一流ダンサーがどのように基礎レッスンをしているのか、お手本として学ぶことができます。また観るだけのファンにとっても、レッスン中に見せるふとした素顔を見ることができ、あの素晴らしいテクニックの秘密はここで生み出されるのか、という発見があります。普段こんなレオタードを着ている、こんなウォームアップをしている、というダンサーの生活の一部を覗いているような気持になります。パフォーマンスを披露した後のミニトークコーナーも楽しく、ダンサーの知られざる一面を見ることができるのもお楽しみの一つです。
「SHIVERプレミアム」の出演者の多くは、今年で第8回目を迎える夏の風物詩、「横浜バレエフェスティバル」にも出演。世界中のバレエダンサーたちにアンテナを張って、選りすぐった世界的なトップスターから期待の星まで、最高のメンバーが揃っていることに定評があります。横浜バレエフェスティバルやSHIVERは連続して出演しているダンサーも多くて、一つのファミリーのように出演者同士の仲が良く、温かく和やかな雰囲気があるのも魅力的です。
バレエの新しい楽しみ方を提案する「SHIVERプレミアム」。芸術家たちの情熱を受け止めて、至近距離で得られるスペシャルな感動と魂が震える(SHIVER)興奮をこの夏、全身で味わってください。